その1)夜、見知らぬ下宿にいた。部屋は暗く、寝る直前のようだ。明日はホテルに泊まることを思い出し、行く時間などを伝えておいた方がいいかと思った。

ホテルに電話をかけると、若そうな男Aが出た。新米なのか始めはほとんど口がまわっていなかった。言うべきことにたどりつくまで、自分でも意外なほどあれこれとしゃべって話をつないだ。そして「(夜の)11時前後にそちらにうかがいますが、よろしいでしょうか」といった。そういえば予約は10時だったなと思い出した。予約より少し遅れるが、大丈夫なようだ。

電話を切る直前、俺が何かおかしなことをいったのか、Aは少し笑っていた。何笑ってんだかと思いながら電話を切ると、俺もちょっと笑った。

 

【洞察】明日、少しの雨なら山に行くかどうか迷っていたが、そのことについてかもしれない。

 


 

その2)冬だったか、見知らぬどこかの郊外にいた。街の人々が飼っている鳥をみんな解放したらしく、すごい数の白い鳥が空中のあらゆる所を飛び交っていた。飛ぶというより、互いに一定の距離を置いてまるで空中に静止しているかのように見えた。壮観な光景だと思ったが、水場は限られているし、場所をめぐって争いが起きるんじゃないのかと懸念した。

一羽の鳥が電線か何かの上を伝っているのを見かけた。そいつは羽という羽を広げ、まるで恋愛ダンスのように飛び跳ねていた。その動きが何となくバレエダンサーのようにも見えた。翼の広がりが美しいと思ったが、ところどころ羽根が抜けたせいで筋だけになっているところがあり、若干みすぼらしく見えた。

 

【洞察】

1.たくさんの鳥の解放は、たくさんの曲を書くことを暗示しているのかもしれない。

2.羽を広げて踊っている鳥は、非常に美しいものの点睛を欠いているよう感じだが、作品のことなのかどうかよくわからない。それが不完全なことを指摘しているのか、それともあえて完全にしない(完璧を求めない)という意味なのか。