学校の教室や体育館など様々なところで学生が楽器の練習をしていた。そのいくつかをまわっていた気がする。
金管楽器がある部屋では、初心者たちがそれを吹こうとしていたが音がかすれて出ていなかった。俺もどうせ出ないだろうと、遊び半分に小さなバストランペットのようなものを手にして吹いてみた。数秒くらいでコツがわかり簡単に音が出た。俺は速いジャズフュージョンっぽい高音のアドリブフレーズ(バス系楽器なので本来の使い方ではないが)をすらすら吹いた。
いきなり吹けた俺を見て、皆は驚いていた。俺も吹けないと勝手に決めつけていただけだった、意外な才能があるものだなと思った。
トランペットができるなら、サックスは運指さえわかればもっと簡単だろうと思った。


<解釈>
【洞察】
0.バストランペットは、チューバやユーフォなどと違い、あくまで低い音の出るトランペットらしい。
1.金管楽器の音楽を直接指しているかはわからないが、俗に難しいと言われており、最初からできないだろうと決めつけていたある音楽的な技術について、実は隠れた才能があるということなのか。金管楽器の音楽自体、キンキンした音が苦手な方で滅多に聞くこともないが、そういった「敬遠してきたものの中に才能がある」という示唆なのか。
2.バス系楽器であえて高い音を出しているので、ある楽器や音源について、本来の使い方とは違う独自のやり方があることを示しているのか。