その1)朝、実家2階の自室にいた。俺は寝ていたが、1階で母が何か言っているのが聞こえて起きた。母は怪物じみた奇妙な声で「行け!」といった。時計を見ると8時54分だ。さっきも起こされたのに二度寝してしまったと気づいた。

ただ、これから登校(中学か高校)しても完全に遅刻だし、授業の途中で教室に入るのは嫌だし、そもそも学校自体もう行きたくなかった。

 

【洞察】学校への遅刻は、やらなくてはいけないという義務感からくるプレッシャーの象徴か。学校自体行きたくないということから、作曲をやる気はないということであろうか。

 


 

その2)薬屋でバイトしていた。はじめは違う場所にいたが、店の誰かがやってきて客の問い合わせがあると伝えられ、店に向かった。

薬屋は大型ショッピングモールの一角にあった。モールの改装のため、別の場所からここへ移転してきたようだった。客は若い女Aで「ハエ取り紙が欲しいんですけど」といった。Aは薬屋の脇のスペースにこのたび出店(飲食関係らしい)する家族の1人のようだ。ふり返るとすぐそこに殺虫剤コーナーがあり、俺はそこへ向かった。

コーナーにはJKらしき少女が何人もいた。(床に?)座っている子の生足が艶かしく見えた。その中の1人が、ハエ取りリボンのパッケージを手にしていた。商品は大小2種類あるようで、両方持って行こうと思った。

 

【寝る前の思考】その1では(母的な側面が)作曲を促しているようだが、そんな話で再開するつもりはない。

【洞察】商品を求められていることから、次の作曲の話か。

 


 

その3)ピアノの発表会を控えていた。俺は見知らぬ会場の控えホールにいた。演奏順は最後でまだ時間はあったが、俺はほとんど練習していなくて弾ける気がしなかった。

それでも何とかしようと、ホールに2台あるピアノで練習しようと思ったが、幼い少女たちがそこで遊んでいて使えそうにない。たとえ空いたとしても、周りに人がいて弾けないのを知られてしまうので断念した。

小さな本の楽譜を持っていたので、それをめくった。メロディとコードだけが載っている(コードがない曲もある)。できるだけ簡単そうな曲を探したが、曲もコードも覚えられそうになかった。

俺は発表会の出演を辞めることにした。それを伝えに行こうと会場に向かった。階段を降りて1階の入口から入ろうとすると、ドアマンらしき欧米人(ハーフっぽい?)の若い男に、2階の別の入口の階段から降りて入るようにいわれた。俺は来た道を引き返した。

その途中で、小中学時代のクラスメイトの女(STなど)に出会った。彼女らは親しげに近づいてきて「トリだね」といって俺の演奏を期待していた。俺は「出るのやめるわ」みたいなことをいった。彼女らは驚いている。そのとき親戚(母方の姉妹など)を見かけた。「出るのやめたのでもう帰っていいですよ」といった。皆(母もいたか?)すでに酔っ払っていて陽気に帰ろうとしていた。

それから母に会い、出るのをやめたことを伝えた。母は「どうして?」みたいなことをいって怒ったが、俺は「練習の時間がなくて曲を全然覚えられないし、左手がバッキバキで動かないからもうダメだ」みたいなこといって応じなかった。

いつの間にか電車に乗っていた。(話の続きで)俺は「もう完全引退だ」といった。母は「沢田研二も同じように感染症で左手をやられて(ピアノを)やめたみたい」といった。俺は「ふーん」といったが、俺は感染症のせいじゃないけどねと思った。

窓の外を見ると、彫りが深く険しい、緑の美しい山の稜線が見えていた。

 

【寝る前の思考】その2は、作曲の次の機会を示しているように見えるが、いくら書いても金にならないし、その程度の話で再開するつもりはない。もっと希望が持てる情報が(もしあるとすればだが)ないのか?

【洞察】

0.ようやく本音や真意を引き出せたという感じか。

1.「発表会にはもう出ない(出なくていいんだ)」という類の夢は、数年に何回か見る。「曲を発表したくない(=作曲したくない)」ということであろう。

2.いつもなら実家にいて「もう教室に行かなくていい(発表会に出なくていい)と決める」いうパターンだが、会場まで来ているのは初めてかもしれない。よほど追い詰められているということか。

3.「左手が動かない」は、右脳の働きの低下から創造性が枯れてしまったという意味か。左手がひどく不器用で関節などが硬いのはドリマトーン時代からの特徴で、そのためにピアノ的な左手が動く演奏を怠けたり諦めたくらいだった。つまりそういう(まともな)音楽はもうダメだという意味か。

4.なぜ沢田研二と同じ症状なのかはよくわからない。彼はタイガースが解散してソロになってからの方が売れた(斬新・過激な衣装が特徴)という認識だが、それが謎を解く鍵であろうか。

5.「完全引退だ」といっているので、本当にこれで作曲は引退なのかもしれない。ただ気になるのは、いつもならエレクトーン(ドリマトーン)の発表会なのに、今回はなぜかピアノ(こっちは習ったことがない)ということ。簡単な楽譜を見ても覚えられないということから、常識的なメロディやコードによる作曲からは完全に手を引くという意味かもしれない。

6.電車の窓から見えた険しく美しい山は、今後の話(次の目的地)かあるいは本心(心の窓)と思われる。その山はそのまま登山を楽しむ(より険しく美しい山へ行く?)ことを意味するのか。しかし、自分は(嫌なバイトをしながらの)趣味では生きられない人間であり、作曲をやめて金にもならない登山だけを糧にまともに精神を保っていられるとは到底思えないが。

洞察4の後者の意味なら、その山は険しく困難だが非常に美しい、より高度な作曲(実質的にメロディやコードのない?)を予見している可能性もある。