家電店のような部屋に入った。しかしそこでは、マルチメディア系専門学校の見学会のようなことが行われていた。若い学生たちが長テーブルに向かって座り、何か書いていた。
俺は家電の客を装い様子を伺った。さりげなく座って、テーブルの上にあるプリントを見た。主催者らしきプロデューサーのような男の紹介文が印刷されている。なんだかひどくチャラいノリの文章で、プロ養成というよりも『キャンパスライフをエンジョイしよう』みたいな内容だった。見学の学生たちはそれを読んだりアンケートのようなものを書いたりしていた。俺は歳のこともあるが、これは(俺の望みとは)違うなと思い、席を立った。
帰り際、家電店の商品なのか学校の備品なのかよくわからないが、Macのカラークラシックのような姿のPCを見かけた。PCとしては古い型のはずだが、見た目はきれいでまだ新しいものに見えた。
広い玄関ホールに出ると、床にでっかいグミのような透明色の塊のおもちゃ(?)があり、学生たちはそれを蹴っ飛ばしていた。俺も玄関の方に向かってそうしてみた。
【洞察】
1.かつてP音楽学校に入るとき、そこに入ればプロになれるんじゃないかと漠然と思っていたが全然違っていた。そんな感じで、作曲のことをナメていたから今のような結果になった、とでもいいたいのか。もしそうだとすれば今更感が否めない。
2.ぬるい学生のように(作曲業を)青春や趣味的にエンジョイしたいわけではない、という主張か。
3.なぜ昔のMacが真新しく見えたのか(カラークラシックは確かにコンセプトや見た目が好きな機種だが)よくわからない。