どこかの丘だったかで、若い男の何人かと話していた。そいつらは他校の学生で、話の流れで短距離競走することになった。
俺はスリッパのようなかかとのない靴だったので、相手にも同じ条件になってもらった。男Aは自信があるようで、若干小バカにしたような余裕の笑みを浮かべていた。
ピストルか何かの合図でスタートした。狭い通路のような道を走った。前半の40mくらいだったか、ガラスのドアがあるところまで俺は先行していたが、そのあたりで足がもたついた。抜かれるかと思ったが、Aはいつでも抜けると思っているのか、まだ俺の後ろにいた。そのとき、俺は突然すごい勢いで足が動き出し、あっという間にゴールした。100mのタイムは12秒フラットだった気がする。皆驚いたが、当の本人の俺が一番驚いていた。そこで目が覚めた。


<解釈>
競走(レース)・・・(ベサーズ解釈)自分自身と競い合っている。勝つために側面すべてを統合すべき。
靴・・・(ベサーズ解釈)基礎知識を養うこと。人生の旅の途中で自分を守るもの。役割。(ケイシー解釈)個人の基盤となるもの。基本的原理。物質的生活からの保護。人生における自分の役割。(ウォレス解釈)個性、アイデンティティ、社会的地位。(〜をなくした)それらを失った。
廊下(通路)・・・(ベサーズ解釈)通り抜けるのに必要な道。脇に逃れることはできない。洞察への通路。(ウォレス解釈)進歩が何らかの方法で邪魔されている、最善でない決断を強いられている(トンネルなど〜を無理やり通る)。望む場所に到達できるチャンスが大きくない(小さなドアや穴)。古い習慣や頑固な権威者に縛りつけられている(石の〜、古い〜)。視野の狭いやり方(通気孔)。特定の方法で行動するよう期待されている(排水溝)。変化のチャンスについて考えている(怪しげな〜)。ドアの数は選択肢の数。
ドア・・・(ベサーズ解釈)自分を見つけるためのチャンス。(ケイシー解釈)自分の考えを表現する、またはその手段、達成方法。不快な状況を避けたいという願望(裏口を閉める)。人生の中に新しく訪れる出会い(正面玄関)。思いもしなかった事実の露見・人が落ちるかもしれない罠・落とし穴(はねあげ戸)。あてにしていたチャンスが慌てたためにふいになる(閉じたドア)。潜在的に取り除くことのできない障害。死。(ウォレス解釈)自分の様々な部分を表現する方法(部屋の〜)。うまく通り抜けたいと思っている境界線を象徴している(廊下の〜)。(ホロウェイ解釈)今まさにチャンスが訪れている(誰かが〜をノック)。

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【洞察】
0.100mは最も速い頃でもせいぜい14秒台後半で、12秒というのは自分としては信じがたいタイム。
1.スリッパのような靴では走っても充分なスピードは出せないはずで、現状の自分の立場やコンディションを表しているのか。
2.狭い通路は、他に選択肢がない状態を表しているのか。
3.ガラスのドアは、ビルの入口によくあるタイプのドア。先に何があるかわかる機会や境界線、あるいはビルの入口に象徴されるチャンスということなのか。
4.ドア(入口?チャンス?)の手前で俺はたぶん「怖気付いて」足がもたつくのだろうが、そこから急に加速するのはどういうわけか。この先、大きなチャンスがあることがわかって、ついに本来の力を発揮するという意味なのか。
5.短距離走を人生に喩えている可能性もある。仮に人生90〜100年(=100m)とすれば、スタートから40mまでの狭い通路は選択肢があまりなかった(良くも悪くも運命的に予定されていた筋道だった? 母親の影響か、自由があるようで実はなかったことも考えられる)これまでの人生を表し、40m、つまりガラスのドアを前に足がもたついているのは「現在」であり、その前後から突然本来の力を発揮するようになる、みたいな話にも見える。