森田療法 (講談社現代新書)作者: 岩井寛出版社/メーカー: 講談社発売日: 1986/08/19メディア: 新書購入: 18人 クリック: 104回この商品を含むブログ (41件) を見る

たとえば旅に出たとき、神経質(症)者や人見知りとしてはハードルの高い行為(知らない人に道を聞くとか、一人で食堂に入るとか)が可能になるのは、森田思想でいう「目的本位」モードで行動しているからであろう。
たとえば恋をしているとき、普段なら面倒で避けたいと思われること(遠距離移動とか、真夜中寂しくて眠れない相手を電話で寝かしつけるとかw)が可能になるのは、やはり「目的本位」モードだからなのだろう。

この療法を採用する者にとってのキモは、いかに人生の中心となり得る「真の目的」を見つけ出すかということにあるようだ。モチベーションの高い目的に集中しているとき、たしかに症状は完全に消えたわけではないが、気にはならなくなる。それが自分を苦しめる恐怖や不安を手放さないまま「ありのままに」生きるということなのだろう。

不安を解消することに集中するとかえってそれにとらわれてしまい、逃避することが人生の目的になってしまうとか、欲望の強さと不安の強さは常に表裏一体である、という考え方は納得いくものがあった。

老子の無為の思想に触れ、これを読み、あるがままの良さってのが理屈ではなんとなくわかった気がする。あとは実践できるかどうか、症状を言い訳にして逃避することを選択せず、不安を持ったまま「目的本位」に真っ直ぐ挑んでいけるかどうかだ。★★★