続編でだれる作品は数知れないが、この人は違う。前作よりもいっそう磨きがかかっております。
今は亡き主人公の育ての親が悲劇の引き金となっているが、その男が過去のリアルタイムで登場する手法ではなく、エピソードで語られているだけ。にもかかわらず、まるでその過去の男の物語を作品用に一本裏で書いてしまっているのではないかと思えるほど、バックグラウンドの手落ちがなく散漫さのかけらも見られない。
人といい出来事といい、これほど完璧な関係性とバランスを一体どうやって組み上げているのか、自分用の設定資料として本作に劣らぬほどぎっしり書いているのか、脳みその領域にクリアーかつ整頓されて収めていてそれを引き出すだけなのか、教えてもらいたいものだ。物語を思いついたときにはもう全体像ができあがっているというので、その前によほど深く考えを巡らせている時間があるに違いない。自分の作品に対する心構えの浅さを、思い知った。
なんといいましょうか、口だけは生意気な小僧(自分)が師範(著者)にボコボコに打ちのめされた感じ。
それでも立ち上がって向かっていきたい、これまでで自分にとって最高のお手本となる作品(集)。
同じ土俵で戦おうとしたら到底追いつけないだろうが(作家以前にプロの文化人類学者だし)、どうにかしてその一部でも技を盗んでやりたいものだ。★★★