きまぐれ紀行(11)〜愛媛・高知〜

4/6 <トラブル続きの果てに〜鳴門海峡



 小田原から新幹線で米原まで行く。特急代をケチるためそこから新快速に乗り換える……はずだったが、車両故障で急にその便だけ運休。いきなり大ピーンチ! 立てたスケジュールが崩壊の危機だったりする。途中で新快速に抜かれるはずの各駅に乗りつつ、ケータイの乗換案内で必死に遅れを取り戻す方法を探ったが、出てくるのはその新快速ばっか。全っ然つかえねーじゃん。少しでも荷を減らそうと時刻表を家に置いてきたことを、超後悔するのであった。ここで教訓。デジタルの過信は禁物だ。
 各駅は高槻から快速になり、三ノ宮で下車。40分は見ていた乗り換え時間が僅か8分になってしまい、神姫バスセンターまで走る。途中、改札のねーさんに18きっぷのハンコが怪しい(かすれていて6日の検印はずが3日に見えたらしい)といちゃもんをつけられ、ムカツク。なんかトラブル続きで嫌なカンジ。
 三ノ宮から徳島行きの高速バスで鳴門公園へ行く。要予約だったが乗っていたのはおばさんと俺の二人だけ。この時期、マイクロバスでもいいんじゃね?w
 鳴門で降りる目的はただ一つ、船上から渦潮を間近に見るためだ。
 バスを降り、乗船場を探すが案内表示がまったくない。この辺は山がちであっちこっちうろついている間に汗だくになってしまった。結局、目的だった大型船は見つからずにあきらめ(後にうんと遠い場所に港があったと知る。調査不足;;)、近場の30人乗り小型船で大鳴門橋の下へ向かう。時間はばっちり、大潮のタイミングだ(そうでなければわざわざ新幹線まで使って時間を合わせたりしない)。
 今度はトラブルが吉と出た。
 噂に違わぬ荒潮の渦やうねりが、手の届きそうなところで舞っているのだ。ただ、イメージでは大型船をも一呑み!! みたいに思っていたが、あれはどうやらテレビの誇張らしい。ってかアニメの見過ぎ?w それはともかく、渦潮を見るなら小さい船の方がオススメだと断言しておこう(大型船から乗り換えるカメラマンがいるという従業員の話が出るくらいだから、ンマチガイナイ)
 船を降りると、鳴門駅まで路線バス。途中「野(の)」という変わったバス停名に笑う。
 次は「の」、「の」ですw。
 鳴門→徳島→阿波池田→琴平→多度津と乗り継いで、観音寺で一泊。




4/7 <日本のマチュピチュ(?)w〜別子銅山



 朝、観音寺から各駅で新居浜へ。そこから路線バスで「マイントピア別子」へ向かう。かつてそこには足尾と並ぶ大きな銅山があったそうな。今はその遺跡を利用したテーマパークがある。復元品や砂金掘り遊びには興味ないので通過。徒歩で国道を上っていく。
 鹿森ダムを過ぎ、遠登志橋の売店からさらに80m行くと、別子銅山の登山口がある。気を抜くと見過ごしてしまいそうな、地味な山道の入口。そこを上っていく。途中までは別段変わったところのない登山道なのだが、中腹当たりから煉瓦造りの遺跡がちらほらと顔を出す。さらに先へ行くと、大理石のような質感の美しい渓流があり、知られざる秘境にやってきた雰囲気。
 分かれ道にさしかかり、ひとまず東平(とうなる)へ向かうため、まっすぐ行く。急坂を上っていくといきなり整備された遊歩道に出くわし、さらに上ると、廃墟マニアには有名な(?)、東平地区の貯鉱庫・索道基地跡が姿を現す。このとき天候は霧。一言で言えば、霧中楼閣ならぬ霧中要塞。写真には不向きだが、物書きにとっては幻想的でおいしいシチュエーションだぜw。
 遺跡のふもとに立ってみると、その巨大さに驚く。壁の高さは8mくらいはあるだろう。このスケール感は実際近づいてみないとわからない。8mのビルを見ても何とも思わないが、煉瓦造りだと重厚感が全然違うから不思議だ。
 遺跡の頂まで上り、インクライン跡の長い階段を下りて、再び登山道に戻る。もっといっぱい遺跡があるかと思っていたが、東平で大きなものはこれくらいのようだ。あとは原形をとどめていない「〜跡」ばかり。教科書的な歴史建造物じゃないから、残らないのは仕方のないところなのか。渓流の脇道を少し上ると、第三通洞と変電所のある広場に出る。通洞は鉄柵で閉ざされており、スローシャッターでどうにか中を写せる程度。ただ、変電所は中に入ることができる。薄暗くがらんとした室内、崩れかけた内壁、今にも抜けそうな板の急階段、放置されたマットレスらしきもの。いかにも廃墟らしい感じはここが一番かもしれない。
 登山道は通洞の脇からさらに上り、銅山峰まで続いている。予定では途中のヒュッテで折り返すはずだったが、標準歩行時間を遙かに上回る超ハイペースで上ったにもかかわらず、どこまで行っても見つけられない。げげ!? ロストしたか? 国土地理院の地図が間違っているとは思えないし、案内板の不備に騙されたかもしれない。無念だが、どうぜ濃霧で何も見えないし、下山することにした。
 新居浜までバスで下り、電車で松山まで行ってそこで一泊。




4/8 <落石注意!!〜面河渓>



 朝、松山市駅(私鉄の方)から路線バスを乗り継いで3時間、面河渓の入口に立つ(途中、久万から乗った伊予鉄南バスの客は俺一人。しかも1時間半、誰一人乗らず、超特急w。オフシーズンとはいえ日曜でこれはひどすぎるるるるる)。
 整備された遊歩道を行くと、いきなり絶壁に挟まれた谷に出る。「関門」という地名にふさわしい場所。
 いったん車道に出て数分行くと、「五色河原」に出る。河原の表面に鉱石の酸化物が散らばっているせいだろう、緑や白や黒やオレンジなどそこだけ色彩豊かな川面になっている。道はここで左右に分かれており、まず本流である右へ行く。
 しばらく緩い坂を行くと、紅葉河原に出る。今は春なので、最高の色合いは味わえないが、真っ白な石灰質の河原と青緑色の河水のコントラストの美しさは、足を止めて、岩の上にしゃがんで、見とれてしまうほどだ。
 渓流をさらに奥へ行くと、下熊淵、上熊淵を経て、虎ヶ滝に出る。ここから先は落石などで道がふさがっており、通行止め。虎ヶ滝周辺は太古の屋外劇場のようなすり鉢状の地形をしていておもしろい。さらには絶壁と緑の川面と豪快なストリームと白い岩肌などの、面河渓のすべてが揃ったような絶景ポイントだ。
 ここで1時間以上まったりした後、来た道を引き返し、途中でショートカットのきつい山道へ入る。展望台があるからということで、息を切らしながら登ってみたが、木が邪魔して何も見えんw。もう一つパノラマ台というのもあったが、似たようなもの。
 小山を下り、もう一つの渓谷、鉄砲石川ルートへ入る。
 まず「櫃の底」という滝壺がある。思わず吸い込まれそうなほどの、面河渓で一番の青(または蒼)。左手に瓦屋根のような姿をした絶壁を見ながら、10分ほど行くと古びた橋に出る。橋は手すりの一部が崩落しており、チェーンがかかっていて通行止めだった。おそらくこの先で最近落石でもあったのだろう。だが、地図ではこの先にも名所がいくつかある。っていうか、目の前に瓦絶壁の総大将みたいな超絶天然彫刻「兜岩・鎧岩」があるというのに、ここまで来て引き下がるなんて、漢(おとこ)じゃねぇぜ!! ってなわけで、チェーンを乗り越え、危険地帯へ。
 その先は、90度以上の絶壁が頭上にせり上がっていて、ところどころで最近剥がれ落ちたらしき岩屑が転がる。くしゃみ一つできないほど、マジ怖いw。「布引の滝」まで行って、嫌な予感がした。もう少し先もあるらしいが引き返す。だが、収穫はあった。正直、こっちのルートで滝まで行かなければ、来た意味がないと言い切れる。
 来た道を戻り、再びバスではるばる3時間、松山駅に到着。疲労があったので各駅の予定を変更して特急に乗り、宇和島まで行ってそこで一泊。 




4/9 <チャリ下り爽快!!〜四万十川



 早朝、超ローカルの予土線で江川崎まで行き、カヌー館まで歩いてそこでMTBをレンタル。中村までの約40キロ、チャリにより四万十川下りのはじまりだ。
 レンタサイクルが整備されてるのはいいが、これといったサイクリングロードはなく、普通に国道を走るしかない。
 津大橋までは歩道があったが、途中から単車線しかない狭い道となる。大型ダンプが一台通ればもうどこにも逃げられそうにない狭い国道だ。四万十の清流を味わう以前に、スリルを味わうことになったw。
 しばらく国道を下り歩道が復活すると、岩間沈下橋が見えてくる。川が増水するとその名の通り、沈んでしまう橋。そういうわけで柵がないらしい。幅は車が一台通れるくらいしかなく、チャリでゆっくり走るとよたって意外に怖いw。渡ったあと、河原に下りてまったり。四万十の水質が云々というよりも、とにかく静か。そこにあるのは鳥の歌声だけ。それが一番。
 その先、道は狭かったり広かったりだが、狭い方が断然多く、待機スペースに逃げつつ、冷や汗で坂を下っていくと、中半(なかば)休憩所に出る。東屋の下で固いベンチに寝そべると、執筆で懲りまくった体がきしむw。
 口屋内沈下橋、屋内大橋、勝間沈下橋、高瀬沈下橋と下って、川登大橋の辺りで道は二手に分かれる。国道から離れ右の細い道に入ってしばらく行くと、屋形船「四万十の碧」の待合所が見えてくる。ここでいったんチャリを下り、屋形船で50分間、四万十の清流を堪能する。ダブルデート(あるいは旅行)らしきカップルが二組同乗して、妙ぉーに切なかったがw、そいつらを静かにさせるほど、言葉にならない趣がある川面だった。
 船を降り、三里沈下橋を経て、14時。そろそろ空腹は限界に。途中三軒ほど食堂らしきものがあったが、あまりにこぢんまりしすぎていて入りづらかったw。
「さこや」という食堂で青のり天ぷら(エビ天)うどんを平らげる。青のりはすぐそこで取れたものらしく、マジ美味い。うどんもほんのり緑色をしていていた。他にも鰻や鮎があったが、予算の都合がちょっとねw。
 食堂を出て、佐田沈下橋を渡り、休憩所で少し休んで中村へ直行。
 土佐くろしを鉄道で、宿毛までいって一泊。




4/10 <ここはどこの惑星(ほし)?w〜竜串・見残し>



 朝のバスで宿毛から海岸沿いに走り、竜串へ。グラスボートに乗って、「見残し」まで行く。岩が浸食して蜂巣のような穴が空いた地形や、巨大な竜の爪のような岸壁、翼竜が口を開けたような切れ込み、鼓やコンガみたいな音の鳴る岩肌、異形の怪獣の目玉みたいな赤いノジュール、とにかく言葉では言い尽くせない、想像力爆発の地だった。ただもう「うあー」とか「すげー」ばっかり言ってたよw。あまりに楽しかったので、異星の岩に囲まれて2時間以上過ごした。
 再び船で海岸へ戻り、今度は足摺海底館へ。海上のチープな見た目から、さほど期待はしていなかったが、それはまったくの間違い。
 そこは天然の水族館だった。海中に建物を造って窓を開けただけの、シンプルな構造の「海中展望塔」なのだが、水族館では絶対に見られない本物の魚の動きを見ることができる。帰りのバスまで時間がなかったが、ぎりぎりまでそこにいた。本物の海底の姿を眺め、あまりの感動に足が動かせなかった。窓にこびりついた海草をつつく熱帯魚にずっと見入ってしまった。波に身を任せて漂うハリセンボンに見入ってしまった。丸窓の外をただ眺めているだけでもう超〜満足。海底館サイコー。水族館はもういらないw。
 あと半日はそこにいたかったという思いを残し、バスで宿毛へ。
 宿毛から中村まで各駅。中村から特急に乗る。運良く一番前の席に座ることができ、まさに「電車でゴー」状態w。特急「南風」の上りは自由席が先頭なのでオススメだ。急カーブでよたよたする若い女車掌(中村〜窪川土佐くろしお鉄道区間)に思わず噴き出しそうになったり、なかなかお得な席でありました。
 岡山で新幹線に乗り換え、家路へ。はい、おつかれさん。




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